●NCCU政治顧問らが介護報酬の引き上げなどを要請
8月19日、NCCU政治顧問の山井和則衆議院議員、柚木道義衆議院議員、早稲田ゆき衆議院議員らが厚生労働省を訪れ、福岡資麿厚生労働大臣あてに要請書を提出しました。
この要請は、介護事業所の経営難や介護人材不足による介護崩壊を防ぐため、来年2026年4月に介護報酬の引き上げることなどを求めたものです。
今回の要請の背景のひとつに、中央最低賃金審議会が厚労省の答申で、最低賃金の目安を全国平均で63円引き上げるとしたことがあります。最賃の引き上げは賃上げの期待が高まる一方で、事業収入のほとんどを介護報酬が占める介護事業所では、報酬改定がなければ、負担増によって事業継続が困難になるケースが増加することが懸念されます。
また、賃上げによって他産業の賃上げが行われることで、介護産業との賃金格差がさらに拡大し、介護従事者から他産業への人材流出が加速する恐れもあります。
要請書提出後、山井議員は記者団の取材に対し、政府の『骨太方針2025』に“過去の報酬改定の効果についての結論を2025年末までに得る”とあることを踏まえ、「当然、2026年4月の期中改定を行うという結論になる」と、要請の実現に期待を見せました。
●要請内容にはNCCUの意見も反映されています
今回の要請に先立ち、8月8日に立憲民主党の厚生労働部門会議が行われ、山井議員の要請に応じてNCCUが出席し、介護現場の状況を伝えました。
厚生労働省の担当者も同席するなか、介護事業者の実情についてのヒアリングに、NCCUの担当者は次のように述べました。
「物価高騰による経費増大にともない、大手、中小企業ともに事業所の廃止が増加している。報酬引き下げとなった訪問介護などは、地域に唯一だった事業所が廃止されたことで、すでに介護を受けたくても受けられない利用者が発生している」
さらに、「最賃の上昇にあわせて介護報酬の引き上げが行わなければ経営は相当に厳しいという声は、NCCUと労使関係のある法人の共通認識となっている」と苦しい状況を訴えました。
また、組合員の賃上げの状況について、「全産業と介護業界との格差は拡大している。介護業界の法人もぎりぎりまで賃上げを検討しているが、経営の先行きが見えないなかで、どこまで引き上げができるか判断がついていない」と現状を伝えました。
こうした意見がNCCU政治顧問らの要請内容に盛り込まれ、8月19日の要請書提出につながりました。
衆議院第二議員会館で行われたヒアリングの様子。NCCUは物価高騰に苦しむ現場の実情を訴えました。
要請内容はこちらからご覧になれます。
「来年4月の介護・障害福祉サービス等の引き上げ等を求める要請」
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NCCUは、今後も各級議員と連携し、組合員の声を国政に届ける活動に取り組んでいきます。