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とりくみ Labor policy / Political action

第65回介護保険部会 村上副事務局長「地域包括支援センターの過大な業務量の精査を」

2016年10月4日掲載

9月30日「第65回社会保障審議会介護保険部会」が、ベルサール半蔵門(東京 千代田区)で開催され、村上久美子副事務局長が出席しました。

議題
1.介護予防の推進
2.地域支援事業の推進
3.ニーズに応じたサービス内容の見直し

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村上副事務局長はそれぞれの議題に対して次のように発言しました。
〈2.地域支援事業の推進〉について
「地域包括支援センターについては、土日祝日開所や、その他相談支援の強化、また、在宅医療と介護の連携についても積極的に関与することが求められている。しかし、現在地域包括支援センターでさまざまな課題が上がっていることはご承知だと思う。

委託型センター勤務の私どもの組合員からは、
『行政が丸投げ状態。一緒にやっていくというよりは、“はい、よろしく”という感じ。人員を増やしていけるような費用がつくわけでもなく、とても手が回らない。その上、無駄な会議もやたらと多く時間がとられる。この先、総合事業で包括の役割を増やされることがあっても対応不可能』『予防プランについては、なかなか受けてくれる居宅介護支援事業所がない。受け手がないので、全ての人の支援を行っていくことはできない。見捨てていくしかない、という状況をわざと作っていくように仕向けているのではないか、と勘繰りたくなる』という声が上がっている。

また、居宅介護支援事務所に勤務の組合員からは、
『予防のプランは報酬が安い上に手間は要介護1,2と変わらないので、プランを受けずに包括に戻すところが出てきている。包括も自分のところで受けられないから外へ出しているのに、戻されると大変だと思う』
という話もある。第58回の介護保険部会でも、業務量が過大であるという問題提起がなされているにもかかわらず、その精査もなされていないまま、また新たに業務を課すことはどうなのか。
また、地域包括支援センターの予算が決まっている中で適切な人員体制の確保は非常に困難である。したがって、予算の見直し、そして財政支援について考える必要があるのではないか。「地域支援事業については、高齢者を地域で支える体制を構築するため、各自治体で実施されるわけだが、すでに実施状況にもばらつきが出始めている。このままでは、自治体での格差が発生し、サービス供給に支障が出て、それは利用者に直結することとなる。したがって、国が都道府県職員に対して研修を行うことはもちろん、事業実施の方法がわからないという自治体もあるようなので、できる限り早期から取り組めるよう、援助、指導を行うべきと考える。」

〈3.ニーズに応じたサービス内容の見直し〉について
「〈①リハビリテーション機能の強化〉の論点の中に、《リハビリテーション専門職の配置促進》とあるが、人材確保が困難である、との声も上がっている。そうなると、人材の育成も視野に入れて考えていかなければならないと思うが、そもそも、リハビリテーション専門職(PT、OT、ST)は各都道府県でどのくらいの人数がいるのか」。

「〈②安心して暮らすための環境の整備(有料老人ホーム)〉の論点である《有料老人ホームの情報一覧表の公表》について。近年、有料老人ホームの設置数が急激に伸びており、高齢者が適切なホームを選択するためにも、情報一覧表の公表は必須であると考える。たとえば、インターネットでの開示をお考えであれば、介護サービスの情報公表制度でも課題となっているが、高齢者やインターネット初心者が利用しやすいものとなるようお願いしたい。また、情報開示にあたっては、施設の職員の定着率、賃金の状況、定昇制度の有無なども開示対象にしていただければと思う。職員が定着している施設は、総じて施設の環境、サービスの質がいいといえる。したがって、高齢者が施設を選択する一つの指標となることはもちろん、施設にとっても人手不足の状態があるので、職員の確保に役立つのではないかと思うので、ぜひ検討をお願いしたい」。

次回の同部会は、10月12日(水)を予定しています。

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