日本介護クラフトユニオン(NCCU)は、組合員の賃金実態を調査し、その結果を今後の処遇改善の実現に向けた取り組みの政策資料として活用しています。その最新版となる「2025年賃金実態調査」の結果を、1月28日(水)にNCCU本部にて、会場とオンラインを併用した記者報告会で公表しました。
職種別の「所定内賃金の変化」、「年収」「一時金」「賃金改定」などについて、村上久美子副会長が報告しました。
―『2025年賃金実態調査』概要―
◆結果は本ページ下部の電子ブックPDFでご覧になれます◆
【調査期間】 2025年8月18日~10月10日
【調査方法】 配布5,587名(分会組合員5,000名、個人組合員587名)を対象に調査票を配布
【回答数】 3,391名(回答率60.7%)
記者報告会の冒頭で挨拶に立った染川朗会長は、次のように述べました。
「本年の調査で賃金改善はしているが上げ幅は十分ではなく、月次・年次共に他産業との格差は拡大し、物価上昇の中で同じ生活の維持も困難な厳しい結果である。国による処遇改善は昨年決定の補正予算や来年度の臨時介護報酬改定で予定されているが十分ではない。
さらに、こうした処遇改善策は生産性向上がセットとなっているが、本来は分けるべきである。要件とされるデータ連携システムの導入は、大規模な事業者は投資できても、中小零細の事業者には簡単ではなく、加算が取れないことで生まれる賃金格差で人材確保ができず、窮地に追い込まれる可能性がある。
さらに、そもそもケアマネがいる居宅介護支援事業所は加算の対象外となっており、明らかに制度として欠陥がある。今回は処遇改善策の新要件について行った事前調査の結果も併せて報告するので、介護従事者、事業者にとってより良い制度変更につながることを期待している」
続いて、村上久美子副会長が賃金実態調査の結果について説明しました。村上副会長は、
「月給制組合員は平均269,194円で前年差+7,462円(+2.9%)、時給制組合員は平均145,627円で+9,723円(+7.2%)となり、時給制組合員の増加率が月給制組合員を上回るが、勤務時間が増加が収入に直結しやすい構造が背景にある。実際に時給制組合員は人材不足にともない、勤務日数・労働時間がそれぞれ増加している。
また、全産業平均との賃金格差は、これまで補助金や処遇改善政策で一時的に格差縮小が見られたが、近年、全産業の賃上げが加速したこともあり2023年以降再び差が拡大している。
さらに今回の調査では、物価上昇の影響について質問をしたところ”生活が苦しくなった”との回答は、月給制67.7%、時給制68.4%に達している。賃上げが社会に広がっている一方で、介護従事者は職種や雇用形態に関係なく生活が圧迫されていることが結果に出ており深刻だ」と述べました。
さらに、今回の記者報告会では、2026年1月13日から18日に実施した「ケアプラン連携システム導入に関する緊急アンケート」の結果が、西田博政策部門部長 によって解説されました。
西田部長は「システムを導入しているとの回答は『居宅介護支援事業所』で25.4%、『サービス提供を行う事業所』が35.4%に過ぎなかった。
導入が進まない理由は、”事業所内で話が進まない”との回答が半数を超えることから、法人が導入する動機づけや後押しの仕組みが十分ではないと考えられる。国が行う予定の処遇改善の施策にケアプラン連携システムの導入が要件とされることで、導入への後押しになると考えられるが、調査では”一部の相手しか使用しておらず、紙やFAXが必要”、”相手側の事業所が使っていない”ことを理由に不便だとする声が多い。ケアプラン連携システムの処遇改善策で対象外とされている居宅支援事業所にも対象を広げるべきだ」と述べました。
結果の詳細については下記をご覧ください。
<<「ケアプラン連携システム導入に関する緊急アンケート」結果報告>>
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