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NCCU政策コラム Political policy

【政策コラム】介護における生産性向上ってなに?

2024年4月3日掲載

◆なぜテクノロジーの導入と活用が必要か

 2023年の日本の総人口は1億2,397万人で、前年に比べ59万人減少しており、2010年の1億2,806万人をピークに現在も減り続けています。特に、生産年齢人口と言われる15歳から64歳の人口は少子化の影響により減少が続いており、2040年にかけてその傾向が大きくなると予測されています。高齢化率が高くなっていることから、今後、介護サービスの需要もさらに増すと考えられますが、生産年齢人口が減少し、介護人材の確保がより困難になる中で、利用者の生活の維持・向上や介護従事者の負担軽減や処遇改善を図るためには、テクノロジーの導入・活用による生産性向上の取り組みは、前向きに推進していかなければならないと考えられています。

◆介護分野における生産性向上とは

 介護分野における生産性向上とは、介護ロボット等のテクノロジーを活用し、業務の改善や効率化等を進めることにより、職員の業務負担の軽減を図るとともに、業務の改善や効率化により生み出した時間を直接的な介護ケアの業務に充て、利用者と職員が接する時間を増やすなど、介護サービスの質の向上にも繋げていくことと考えられています。一般的な生産性向上とは「低い(少ない)投資で高い成果をあげること」と考えられていますので、介護分野における生産性向上の目的とは少し違うかもしれません。

 厚労省が作成した『介護サービス事業における生産性向上に資するガイドライン』でも、「一人でも多くの利用者に質の高いケアを届ける」という介護現場の価値を重視し、介護サービスの生産性向上を「介護の価値を高めること」と定義しています。

 

◆どのようなテクノロジー(ICTや介護ロボット)があるのか

 生産性向上の取り組みには、ロボット・センサー・ICTといったテクノロジーの活用があります。すでにいくつかのテクノロジーを導入している事業所もあると思いますが、ここではICT機器や介護ロボットの主なものを紹介します。

【ICT等】
 ICTの活用には、記録や引き継ぎ、行政への提出用等の様々な書類作成の手間を省いたり、利用者情報の共有・連携の推進、蓄積されたデータを活用することによる質の向上など、様々なメリットがあります。また、ICTを活用することが働きやすい環境作りに繋がり、介護業界のイメージを刷新しつつ、活躍の場を創出し、介護分野への多用な人材の参入促進につなげていくことも期待されています。
 具体的には、介護ソフトや情報通信機器(タブレット、スマートフォン、インカム等)、また、LIFEやケアプランデータ連携システムもICTの活用になります。

【介護ロボット】
 介護ロボットの導入は、介護従事者の身体的、精神的な負担を軽減し、業務の効率化とともにサービスの質の向上にもつながります。介護ロボットの種類には、例えば下記のようなものがあります。

移乗介助負担軽減 → 離床支援 マルチポジションベッド

排泄の自立支援 → 排泄予測デバイス

見守りの効率化・負担軽減 → 眠りスキャン

  このように、日ごろの業務改善、すなわち生産性向上を図るために、ICTや介護ロボットの活用は重要なポイントです。また、2024年4月からの介護報酬改定でもテクノロジーの活用促進に関する加算等が増えており、国も推進しているため、今後ますます導入が促進される見込みです。

 ◆NCCUの考え

 新しいものを取り入れるにあたっては、取り扱いやそれを学ぶ時間を費やさなければいけないことへの不安や不満があると思います。

 しかし、すでに介護ロボットやICTを活用している介護従事者からは「業務の効率化や職員の負担軽減に非常に役立っている」という意見も多く聞かれ、テクノロジーの活用が介護従事者の業務負担の軽減に一定の効果があるということは明らかなため、NCCUもテクノロジーの導入・活用を推進しています。

 NCCUは、組合員のみなさんの不安や不満を払拭するために、2023年に「介護現場におけるテクノロジーの導入・活用に関する集団協定書」を労使関係のある法人(46法人)と締結しています。

 その協定書には、テクノロジーの導入・活用は介護従事者の負担軽減やサービスの質の維持・向上を第一の目的としたもので単純に人を減らすための取り組みではないこと、さらに、機器を選定する際は従事者の意見を聞くこと、導入研修を実施することと等、介護従事者が安全、安心に取り組めるよう考慮した内容を記載し、労使で確認しています。

 以上のことを踏まえ、組合員のみなさんには、テクノロジーの導入・活用をぜひ前向きに捉えていただけたらと思います。

【出典】介護分野における生産性向上ポータルサイト (mhlw.go.jp)

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