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とりくみ Labor policy / Political action

第91回介護保険部会 「特定加算の取得に向けて、国や自治体は積極的に推進を」久保会長が発言

2020年7月28日掲載

7月27日(月)14:00~16:00、「第91回社会保障審議会介護保険部会」がWeb会議で開催され、久保会長が委員として出席しました。

【議題】
1. 地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律(令和2年法律第52号)(報告)
2. 基本指針(案)について
3. 「介護保険制度の見直しに関する意見」を踏まえた医療療養病床等から介護医療院等への移行の扱いについて
4. 匿名要介護認定情報等の提供に関する専門委員会(案)の設置について
5. 「要介護者等に対するリハビリテーションサービス提供体制に関する検討会」報告について(報告)
6. その他

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※基本指針とは
〇介護保険法において厚生労働大臣が定めることとされている「介護保険事業に係る保険給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針」。
〇都道府県及び市町村は、この「基本指針」に即して、3年を一期とする都道府県介護保険事業支援計画及び、市町村介護保険事業計画を定めることとされており、基本指針は計画作成上のガイドラインの役割を果たしている。
〇第8期(令和3年度~5年度)の基本指針においては、社会保障審議会 介護保険部会が昨年末に示した『介護保険制度の見直しに関する意見』を踏まえて記載を充実させる案が示されている。



久保会長は、厚労省が作成した「基本指針(案)」に中の人材確保について、以下のように意見を述べました。
資料はこちら

■介護ロボット・ICTの活用について
介護労働は力仕事が多く、職業病ともいえる腰痛を理由に離職する介護従事者は少なくない。介護ロボットは、介護従事者の安全衛生、とりわけ腰痛による離職を防ぐ効果、また転倒や転落、徘徊の予防など、介護サービス利用者に安心感を与える等、多くのメリットが考えられる。
2019年にNCCUが行った「就業意識実態調査」では、介護ロボットの活用について、賛成する介護従事者は過半数を超え、「腰痛や体の負担が減る」「人手不足を補える」といった理由が大半を占めた。しかし、価格が高いことや介護事故への懸念から、導入している事業所はまだ少数となっている。
したがって、介護ロボット導入の推進にあたっては、補助事業の内容や導入による改善事例の周知強化などを通し、介護事業者に対し積極的に活用するよう働きかけていただきたい。


■介護職員等特定処遇改善加算の取得に向けて
昨年10月から実施されている、介護職員等特定処遇改善加算は、経験・技能のある職員が「永年務めても賃金が上がらない」という介護職員等の不満を解消する上では、極めて有効な施策であると評価している。
NCCUの2020年賃上げ結果を見ると、『定昇』『従来からの処遇改善加算』『特定処遇改善加算』によって、介護従事者の月例賃金の平均値が約1万6,000円引きあがる効果が出ている。さらに一時金による改善も見込まれる。
しかし、厚労省の調査によると、特定加算Ⅰの取得率は合計27.6%、最も高い介護老人福祉施設においても69.1%、最も低い地域密着型通所介護では10.8%にとどまっている。一方、NCCUと労使関係のある法人においては、51法人中37法人が加算1を取得、取得率は72,5%である。
したがって、制度を理解し取得に向けた環境を整えることは決して困難ではない。そのため、国や自治体は、未取得事業者に労働環境や人事制度等の改善を通した加算取得への益々の支援を積極的に進め、介護業界全体の処遇の底上げを図ることが重要だ。
また、介護人材確保のための様々な基金について、認知されていない、また活用していない都道府県に対して活用の推進を促すようお願いしたい。


久保会長は最後に、
「人材確保には介護従事者の処遇改善が最も重要であり、処遇改善を差し置いて様々な対策を講じても人材確保は困難である。介護人材確保の最大の処方箋は、処遇改善である」 ということを強く訴えました。

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